HOTEL MURDERESS OF ARIZONA ACOUSTIC SHOW

少し時間が経ってしまいましたが、
鬼束ちひろさんのコンサートに行って来たので感想を書こうと思います。

2011年12月11日の日曜日、ルミナリエに行く人ばかりだと思しき三宮行き阪神電車に乗り、私個人としては8年4カ月ぶりとなる鬼束ちひろさんのコンサートに行ってまいりました。

HOTEL MURDERESS OF ARIZONA ACOUSTIC SHOW@神戸国際会館こくさいホール


最後に私が鬼束さんを見たのは忘れもしない2003年8月5日。
大阪福島のシンフォニーホールでのコンサート。
弦楽器をバッグにしたがえて歌われた「月光」。
それを聴いて私は泣きました。
当時高校1年生で思春期真っただ中だった私にとって、鬼束さんの歌の存在はとても大きなものでした。

そのコンサートの直後、喉の病気があったり当時所属していた事務所(EMI)とごたごたがあったりで、
鬼束さんは活動を休止してしまいました。


そんな私も今や24歳年女(もう年が明けてしまったので年女でなくなってしまいました。・゚・(ノД`)・゚・。)。
鬼束さんのキャラ変貌っぷりはYahoo!ニュースになるほど(笑)。

このコンサートに行って良いものか?
この8年で私は変わってしまった。
鬼束さんもおそらく変わってしまった。
今鬼束さんの歌を聞いても8年前のように涙を流せるのか?

そんな不安と8年ぶりの生鬼束への期待を胸にいだきつつ、いざ三宮へ。


開演時間になり、緑のドレスに身を包んだ鬼束さんが登場します。
ステージの構成はピアノとボーカルのみという非常にシンプルなものでした。

2011年の春に鬼束さんはアルバムを1枚出していたので、そのアルバムの曲がメインなんだろうなーと予想していたのですが、
意外や意外、1曲目はアルバム「LAS VEGAS」(今回のアルバムの2枚前のアルバム)の「SWEET ROSEMARY」という曲でした。

「人生は長いのだろう 貴方のことも思い出すのだろう」


このあともMCはほとんどなく淡々と進みました。
正直、下手なMCが無くて安心してました。
昔からほとんどMCをやらない人だったので、そのあたりは変わってないなぁ…と思えたので。

それからしばらく演奏が続き、
嵐ヶ丘」のイントロが始まった瞬間、私のテンションがぐいっと上がりました。
嵐ヶ丘」は鬼束さんの休止前、EMI時代の楽曲です。
まさかEMI時代の楽曲が聴けるなんて。
これはもしかしたら高校時代を思い出すような曲が「嵐ヶ丘」の他にも今日聴けるかもしれない。
しかも私はこの曲が好きでした。

「そして私は怪獣になった もう元には戻れない」


そしてコンサートの中盤。
あのイントロが始まりました。

「月光」でした。

今回は泣きませんでした。
もうあの頃には戻れないんだ、と思ってしまいました。


ところで、私の隣の席に私と同じく一人で来ているお姉さんがいたのですが、
1曲目が終わり2曲目が終わり3曲目が終わっても拍手をせず、それどころか微動だにせず、ずーっと聞き入ってらっしゃったんです。
それが「月光」のイントロが始まった瞬間、そのお姉さんがピクッと動かれたんですよね。
月光が終わった時、お姉さんが少しすすり泣きをしているような気がしました。

私にとっても、そのお姉さんにとっても、そしてそれ以外の会場に来ていたお客さんにとっても、
鬼束ちひろさん自身にとっても、
「月光」という曲はきっと特別なんだろう。
そう思いました。


そんなこんなで2時間ほど鬼束さんの歌を聴いていたわけですが、
鬼束ちひろはやっぱりヘタウマ…



これからも鬼束ちひろのCDは買うと思うし、
都合が合うならライブも行くと思うけど、
生活のほとんどが彼女の歌で満たされるようなことはもうないだろうと思います。

自分のことは自分で考える。
自分の歌は自分で作る。
そう変わっていきたいものです。